不登校新聞

447号 2016/12/1

自分を偽っていい場所とは

2016年11月29日 14:27 by kito-shin
2016年11月29日 14:27 by kito-shin


連載「酒場の支援論」


 東京・赤羽駅近くの立ち飲み屋がすごかった。つまみが軒並み100円台。ビールは410円、ホッピー340円。なんと朝の7時から開いている。札幌へ持ってきたい。いっそ自分で始めようか。
 
 酔った頭で考える。フリースクールやフリースペースなど、いわゆる「居場所」の効用として、「ありのままの自分でいられる」という言葉が使われる。なるほど、そういうものかもしれない。「学校では求められる自分を懸命に演じてきた」という話も聞く。
 
 ところで、「ありのまま」には「自分を偽らないですむ」という意味のほかに、「ウソをついていい」「自分を偽っていい」という意味もあるのではないか。あまり言われないことではあるが。
 
 学校や家では目立たずすごしている。しかし、フリースペースではそんなことは誰も知らない。話を大きくする。経験のないこともあるように言う。求められて演じるのではなく、進んで偽る。そういう「ウソ」が「居場所」には、けっこうある。
 
 もちろん、「ウソをついていい」ということと「ウソがバレない」ということは別だから、わかってみんな黙っているということもある。とりたててとがめないというだけだ。
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