わが子が不登校になったとき、学校とのかかわり方や家庭での対応など、さまざまな問題にぶつかります。そんなとき、「とりあえずこれさえ知っておけば」という、不登校における基本的なノウハウを、新連載「ふとうこう・きほんのき」では毎号一つずつご紹介します。第1回のテーマは「卒業」についてです。なお、次号からは4面にて掲載します。
「学校へ行かない、行けない」「行こうとすると腹痛が始まる」。それなら休んだほうがいいですよ、と相談先から言われることが多いと思います。
でも、休みが長くなると、いろんな心配が出てきます。「第一、卒業できるのかしら。もし卒業できなかったら、あとの人生どうなるの」と思うと「3学期だけでも登校してもらいたい」と家族は思ってしまいます。
ご安心ください。いまから15年くらい前までは出席日数が足りないから卒業させない、という例がたまにあり、裁量権を持っている校長と何回か話し合いをして、認めてもらうケースがありましたが、いまでは小中学生は、まったく登校しなくても卒業になります。
「卒業式には出たくない」と子どもが言ったら、それを尊重する。それでは、卒業証書はもらえないのでは、と心配をしている人もいるかもしれません。卒業台 帳に名前が記載されていれば大丈夫。証書はそれをかたちにしただけのものですから、受け取り方はいろいろです。親が取りに行く、担任が自宅まで持参、郵便 で送付など学校と相談することで決まっていきます。
アルバムや卒業文集についても「みんなやることなので」と学校から言われるかもしれ ませんが、お子さんの気持ちや意思を第一に尊重されることが大切です。卒業遠足や祝う会も同じです。「こうすべき」と言うのでなく、子どもの気持ちを理解 してもらう話し合いを親としてなさるとよいと思います。(奥地圭子)
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