不登校新聞

306号(2011.1.15)

メンヘル時代の居場所論 木村衣月子さんに聞く(上)

2014年01月24日 10:36 by kito-shin
2014年01月24日 10:36 by kito-shin



市民で捉える精神医療


 今回お話をうかがったのは、島根にあるフリースクール「YCスタジオ」の代表・木村衣月子さん。長年、日本児童青年精神医学会にかかわっており、今号は市民活動の目から見た精神医療の移り変わりについてうかがった。

――まず、木村さんの活動の概略を教えてください。
 親の会「カタクリの会」は、今年で20周年になります。私を含め、親の会を立ち上げたメンバーは、当時、みんな子どもが小学生で、親の会に連れてきてたんですね。そこで、親の会の人たちで子どもの居場所「フリーダス」を翌年に立ち上げました。

 当時は、おたがいの子どもの面倒を見合うような場でした。家族どうしのつきあいみたいな感じですね。それがよかったと思うんです。自分の子どものほうが、かえって難しくて、よその子のほうが距離感のあるぶん、いっしょに居やすいという面はあります。いわば、親が手づくりでつくってきた居場所です。

 04年から、若者の居場所「YCスタジオ」を始めました。学齢期が終わって、学校の問題より、その後、どういう生き方ができるか。しかも、島根という地方で。ひとりで孤立して考えていると苦しい。せっかく学校に行かなかったんだから、もっといろんなことをやってみたいということで、若者文化の発信基地、ユースカルチャースタジオ=YCスタジオを始めました。
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