不登校新聞

459号 2017/6/1

家ですごして20年、動き出す2つのきっかけ

2017年05月30日 11:27 by kito-shin
2017年05月30日 11:27 by kito-shin


 中学1年生の夏休み明けから不登校。その後、ホームエデュケーションで育ってきた当事者のシンポジウム抄録を掲載する。シンポジウムは、5月6日に東京都で行なわれた「家で育つ子どもたち~『在宅不登校』から『ホームエデュケーション』へ」(主催・ホームシューレ)。

 私が不登校になったのは、中学1年生の夏休み明けでした。都心から通ってくる生徒が多い私立の女子校だったんですが、そこにいることに居心地の悪さを感じるようになりました。自分の席でお弁当が食べられなくなり、お昼を抜いて図書館にずっと閉じこもっていました。「これはもう行けないな」と思い、2学期からパタッと行かなくなりました。

 とはいえ、「絶対に行かなきゃ」という切羽詰まった感覚はなかったです。両親や祖父母からのプレッシャーがなかったからだと思います。ただ後でわかったんですが、母は祖父母からいろいろ言われていたみたいで。母が盾になって受けとめてくれていたんです。

絵を描いて投稿したい


 学校に行かなくなって1年ぐらい経ったある日、「東京シューレ」というフリースクールを見学しました。そこで見つけたのが、家庭で育つ子どもを支援している「ホームシューレ」の会報誌『ばる~ん』です。いろいろな情報が載っているなかでも、会員どうしでイラストを投稿しているページが目に留まりました。絵を描くのは昔から大好きだったので、「私も描いて投稿してみたい」と思い、入会を決めました。

 初めて投稿するとき、じつは締切ギリギリになっちゃったんです。
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