2014年は、国の不登校政策の変わり目を感じた年、と述べてきたが、東京シューレ開設からいうと30年目にあたる。
30年間で驚くことがいろいろあったが、9月10日、もっともびっくりすることが起こった。安倍総理の視察だ。
もっとも、早くから分かっていたことではなく、夏休みがまもなく終わろうとする8月下旬、文科省からかかってきた電話では、「政府高官が視察したい」とのことだった。
てっきり文科大臣だろうか、または、事務次官や局長だろうか、と思いながら目的を聞くと、「国がフリースクール支援を検討しようとしているが、現場を知らなければ支援の検討も始められないし、そもそも支援したほうがいいかどうかもわからないので見に来たい」と言われた。
それはチャンスになるかも、と私は思った。政府高官が、学校外で育っている子がいること、いじめそのほか苦しい経験もあって元気をなくした子どもたちが安心や自信を取り戻し、じゅうぶん育つ場になっていること、しかし維持運営はたいへんであり、親もかなりな負担をしていること、だから国の応援をしてもらいたいこと、いろいろ知ってほしいことがあった。
スタッフたちと相談して、承諾の返事をすると、すぐに、毎日のように、電話や来訪での打ち合わせがあり、いろんな人がシューレにやってきた。それも意味があることだった。
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