不登校新聞

463号 2017/8/1

不登校を追いつめる“約束”をご存知ですか?【夏休み編】

2017年07月27日 16:18 by koguma


 夏休みは不登校の子どもたちにもやってきます。「学校に行ってないんだから、毎日が夏休みのようなものでしょ?」と親の方は思うかもしれません。子どもたちのなかにも、似たようなことを言う子もいます。

 もちろん、夏休みがキツかったと言う子もいますが、でもやっぱり、夏休みというのは、ホッとできる時間なのだと、これまでの取材を通じて感じています。

「フツー」と夏休み


 不登校の子どもたちを取材していると、「フツー」という言葉がしばしば聞かれます。何をもって「フツー」と呼ぶかは人それぞれですが、この「フツー」と「夏休みに気が楽になる」というのは無関係ではありません。「自分に向けられるまなざしが変わる」というのが理由の一つです。

 不登校の子どもは多かれ少なかれ、平日の昼間に外に出かけるのを避けます。「フツー」であれば、同世代の子どもはみな学校に行っているからです。その時間帯に街中をプラプラしているのは「トクベツ」なことになるわけで、周りも「今日は学校どうしたの?」というまなざしを子どもに向けてしまいがちです。

 ところが、夏休み期間は小学生から高校生までが街中にあふれかえります。子どもが街中にいても「フツー」です。だからといって、実際に外出するかどうかは別問題ですが「今はそういう状況にある」というだけでも、子どもの気持ちはだいぶ楽になります。

カウントダウンはつらい


 そんな夏休みをすごすにあたって一つ、親の方にお願いしたいことがあります。「夏休みが終わったら、学校に戻る努力をしてみようね」という類の約束を、お子さんと交わさないでいただきたいのです。

 「学校に戻ってみようか」という働きかけは、季節や学期の節目によくある話です。それを機に学校に戻るケースもあるかもしれませんが、リスクが大きいと私は考えています。締切を区切ったことで、登校日までの残り日数を逆算できるようになるからです。

 以前、夏休み明けに不登校になった子どもがこう言っていました。「2学期が始まる直前は、『行きたくない』って毎日思いながら、始業式までの日にちをカウントダウンしていました」。

 不登校の子どもは、いろいろなまなざしを浴びています。なかには、つかの間の休息のために「2学期になったら学校に行くよ」と自ら切り出す子もいます。だからこそ、期限を区切るリスクについて考えることは大事だと思います。8月中旬から9月初めにかけては、子どもの自殺が1年でもっとも多い時期ですから、なおさらです。

 学校は大事な場所です。しかし、学校に戻るように周りが無理を強いたり、交換条件で子どもが自分で自分を追いつめるようなことがないよう、文字通り、夏の休みを体感することが大切だと私は思います。(東京編集局・小熊広宣)

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