2017年8月26日~27日、東京・早稲田にて「登校拒否・不登校を考える夏の全国合宿2017in東京」が開催された。今号では27日に行なわれたプログラム「父親シンポジウム~父親だって、悩んでいます」の抄録を掲載する。
「不登校を認めていいのか」大橋泰之さん
いま20歳になる息子の父です。息子は、小学校の低学年のころは楽しくすごしているようでした。しかしだんだん学年が上がってくると友だちとの距離が出てきたようです。だいぶあとになってから、ある一人の子からいじめられていた、と息子が教えてくれました。そして息子は小6の夏休み前から学校に行ったり行かなかったりの状態になりました。
私自身は「学校が楽しくてしょうがなかった」という人間でした。ですから、学校に行きたくない、ということ自体がまったく理解できませんでした。学校は、私の通勤する途中にあったものですから、朝起きてこないとか、トイレから出てこないとか、頭が痛いとか言い始めると、「今日はいっしょに行こう」と、努めて明るく言って息子を引っ張って行っていました。私はこうすることが正しいと100%信じ切っていました。息子のために、とてもいいことをしている、と。
妻は私とはちがって、「無理して行かなくていいよ」というような対応でした。私は「なにを能天気なことを」と思っていました。「なるようになるわよ」と達観している彼女を見て、いらだつ気持ちになったこともありました。
息子の苦しさにショックを受けて
あるとき、子どもが家にいないので、「めずらしく学校に行ったのかな」と思ったら、息子がクローゼットのなかに閉じこもって泣いていたんです。これには頭をガーンとなぐられたようなショックを受けました。「そこまで苦しいのか」と。
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