不登校新聞

468号 2017/10/15

衆院選挙2017 各党の不登校政策と認識は?

2017年10月15日 22:11 by koguma



 2017年10月10日、第48回衆議院総選挙が公示された。各党から選挙公約が出そろうなか、『不登校新聞』では政党アンケートを実施。「不登校」「いじめ」などについて、各党の現状認識をうかがうとともに、課題解決に必要な具体策についても見解をうかがった。

 「不登校における『最大の課題』とその解決策」について、各党の見解は「不登校の子どもの教育機会を保障していくべき」という大枠で一致している。ただし、細かく見ていくと、その視点にはちがいも見られる。

 文科省などが進めている既存の不登校対応の整備・拡充などを中心に訴えているのは、自民党、希望の党だ。「教育支援センターの機能強化や設置促進ならびに特別教育課程を編成する学校の全国展開など」(自民)、「どの子にも起こりうるという認識のもとできめ細かい対応ができる環境の整備」(希望)と訴える。

 一方、学校のありようを変えるべきだと主張するのが、日本維新の会、共産党、立憲民主党だ。「教育に関する地方分権をすすめ、学校の設置運営に関して規制緩和すべき」(維新)、「競争主義・管理主義という学校のあり方が子どもにあっていないのでこれらをなくす方向で変えるべき」(共産)、「少人数学級の実現や教職員定数の見直しにより、教職員が子ども一人ひとりと向き合う時間を確保できるようにすべき」(立憲)などの見解がならぶ。

 学校以外の居場所の整備拡充を訴えるのは、公明党、社民党だ。「まずは子どもが安心して学び続けられる場所を選択できるようにしてあげることが重要」(公明)、「子どもは学校だけでなく家庭や地域社会などさまざまな環境で育つため、不登校という選択肢を含め、二重三重にセーフティネットを張るべき」(社民)だという。また立憲民主党も「フリースクールなどの支援」に取り組むことに触れた。

偏見の払拭は

 2016年9月、「不登校の根強い偏見を払拭しなければいけない」との通知を文科省が出したことについても、各党に見解をうかがった。

 「党として議論したことはない、地道な啓蒙活動しかない」と言うだけに留まったのは自民党だ。一方で、ともに政権を担う公明党は「文科省通知は非常に重要であり、つらかったら休んでいいということを子ども・保護者・学校の三者間で共有すべき」と踏み込んだ見解を示す。

 野党はどうか。日本維新の会は「全国一律の対策を文科省が発すること自体がおかしく、不登校については地域の事情をよく知る各自治体で取り組むべき」と、地方分権を重ねて訴える。

 不登校の偏見払拭に対して「不登校半減などの数値目標の廃止」を提示しているのは共産党だ。そのうえで「義務教育の意味や子どもの尊厳などを知り考える場を拡充していく」という。

 社民党は「学校を多様な学びの一つとして相対化する発想が必要だ」と語ると同時に「不登校の子どもの学ぶ権利の保障としてフリースクールや家庭学習を支援する」など、不登校という育ち方を具体的に示していく重要性を指摘する。

 希望の党は「どの子にも起こりうるとの認識を持って対応することが重要」と回答した。

 立憲民主党は、教師や学校が子どもに寄りそう重要性を前提としたうえで「子どもや保護者に対して偏見を持たないように指導すること、行政と連携して地域コミュニティのなかでも理解を広げること」に取り組むとしている。(東京編集局・小熊広宣)

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