質問:不登校における「最大の課題」とその解決策は?
「不登校」に関する統計調査が始まって今年で51年目になります。この間、300万人を超す児童生徒が「不登校」とされてきました。近年は年12万人前後で推移していますが、2016年の調査結果によると、児童生徒に占める不登校の割合は過去最多を更新しました。あらためて、「不登校」に関する最大の課題とその解決策について、貴党のお考えを200文字以内でお聞かせください。
【自民党】
不登校の子どもに対する支援を強化するため、教育支援センター(適応指導教室)へのスクールカウンセラーの設置などによる機能強化や設置促進を行なうとともに、不登校の子どもに配慮した特別の教育課程を編成する学校の全国展開や、学校外で学ぶ子どもたちへの支援、夜間中学の設置促進と就学希望者への積極的支援、教育支援センターや不登校特例校との連携強化などの施策を一体的に実施します。
【公明党】
不登校の原因は、いじめや友人関係、学業の不振など複雑多岐にわたります。原因を的確に把握し、解決してあげることが支援には不可欠ですが、原因を把握すること自体、難しいのが課題でもあります。
まずは、子どもが安心して学び続けられる場所を選択できるようにしてあげることが重要です。教育機会確保法に、学校外での「多様で適切な学習活動の重要性」が明記され、自治体が支援に必要な措置を講じやすくなりました。
【共産党】
最大の問題は、学校のあり方が子どもたちにあっていないことです。過度の競争や評価、体罰や行きすぎた校則などの管理主義が、学校をよそよそしい、息苦しい場にしています。
解決策は競争主義や管理主義をなくす方向で学校と社会を変えることです。当面、不登校を問題視せず子どもの意思を優先すること、体罰やゼロトレランスなど子どもの人権への抑圧の根絶、全国学力テスト体制の廃止など競争主義の是正が必要だと考えます。
【日本維新の会】
生徒・保護者に対して、学校に関する多様な選択肢を用意するため、教育に関する地方分権を進め、学校の設置・運営についての規制も緩和すべきである。
【希望の党】
原因はさまざまであり、どの子どもにも起こりうるものであるとの認識のもと、児童生徒や保護者、学校関係者が支援を行ない、また学校現場においてきめ細かい対応のできる環境整備をしていくべきと考えます。
【立憲民主党】
不登校の原因や背景は多様であり、一人ひとりに寄り添い、居場所をつくり、支援していくことが重要であると考えます。そのため、教職員がいじめや不登校などさまざまな状況に置かれている子どもとしっかり向き合う時間を確保できるよう、少人数学級の実現や教職員の過重労働の抑制に加え、臨時的な加配措置によらない教職員定数の充実や学校現場への専門家配置の充実、フリースクール等への支援に取り組みます。
【社民党】
子どもは学校だけではなく家庭、地域社会などさまざまな環境のなかで育ちます。学校に馴染めなくても家庭や地域で育つことができれば問題は少ないのですが、社会環境が大きく変容するなかで子どもの安心できる居場所が家庭や地域からも少なくなっているのではないかと懸念しています。学校に行かない・不登校という選択肢も含め、二重三重にセーフティネットを張り、子どもが育ちやすい多様な社会環境を整備することが必要です。
読者コメント