不登校新聞

472号 2017/12/15

親の育て方が原因でひきこもったのでしょうか? 相談歴16年のアドバイザーの答え

2017年12月12日 16:56 by kito-shin
2017年12月12日 16:56 by kito-shin

連載「決まり文句の研究」vol.2

「子どもがひきこもっているのは私の育て方のせいだったのでしょうか」という言葉も本当によく聞きます。

 私の相談業務のなかでも、初回の面接でみずから口にされる親御さんは少なくありません。また、言葉にはしなくとも、親御さんからのお話のなかで心中そう思っていらっしゃることがうかがわれることも多いです。

 しかし、相談を受ける立場の私にとって、親御さんの「育て方」がまちがっていたかどうかは重要ではありません。本人の気持ちをいかに理解し支えていけるか、それ以上に重要なことはないからです。

 ところが、何かにつけ「育て方」に原因を帰する考え方が根強い現代の風潮が、親御さんに「自分の育て方がまちがっていた」という後悔と自責の念を持たせてしまったり、実際にそう言わせてしまったりする面があります。

 ただ、親御さんには「言わされている」という実感はないと思います。「親として反省点はあるが、それはそれとしてこれからどうしたらいいか考えたい」という、主体的でひたむきな姿勢につながっている親御さんが多いように、私は感じています。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

ひきこもり当事者の支えになる「決まり文句」は何か【不登校・ひきこもり相談員の答え】

484号 2018/6/15

ひきこもりの「早期発見・早期対応」 その意味を捉え直してみませんか【不登校・ひきこもり相談員の答え】

483号 2018/6/1

弱い人間だからひきこもるの?【不登校・ひきこもり相談員の答え】

482号 2018/5/15

読者コメント

バックナンバー(もっと見る)

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…

622号 2024/3/15

「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…