不登校新聞

472号 2017/12/15

少子化のなか不登校が過去最高~そろそろ「支援」を見直すべきだ【不登校新聞・記者コラム】

2017年12月13日 10:35 by koguma


※不登校児童生徒の割合

2017年12月1日、公開講座「不登校児童生徒の状況と施策について」(主催・東京シューレ)が開催された。講師は、高橋由紀さん。文科省の不登校支援担当者だ。

 不登校が14年ぶりに13万人を超え、「教育機会確保法」成立から1年が経った今、不登校施策のこれまで、これからについて、文科省はどう考えているのだろうか。

専門家の拡充 引き続き実施

 不登校は長年にわたり「問題行動」と見なされてきた。そのため「早期発見・早期対応」に基づく「学校復帰」を目的とした施策が主であった。

 なかでも、文科省が注力してきたのは、スクールカウンセラーなどの配置だ。同省調査でも、96%の学校が「必要を感じている」と回答している。

 スクールカウンセラーについて、文科省は2018年度内に全公立小中学校2万7500校への配置を完了させるとしている。その後についてはどのような展望を描いているのか。

 「勤務時間が限られているのが現状。文科省としては将来的に正規職員として勤務してもらう体制を取るべきだと考えている」と、高橋さんは語る。

 発言の背景にあるのは、2015年に中央教育審議会が出した「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」という答申だ。つまり、スクールカウンセラーなどの専門家の拡充は不登校施策として今後も継続されるということになる。

変わりつつある 文科省の認識

 一方、文科省が変わりつつあるのも事実だ。2016年9月14日に出された通知では「不登校を問題行動と判断してはならない」「根強い偏見を払拭すること」など、従来とは一線を画す認識が示された。

 これらは新しい学習指導要領の解説総則に盛り込まれたほか、不登校調査の名称自体が変更されるなど、変化は形となって表れている。

 また高橋さんは、「官民連携」や「不登校特例校」の拡充の必要性を踏まえたうえで、「児童生徒の『社会的自立』を目指し、児童生徒にとって何が『最善の利益』であるかという視点に立ち、長い目で支え見守ることが大切だ」と言う。
支援のこれから

 不登校をめぐる動きが加速するなか、気になることがある。「不登校はいつまで支援の対象なのか」という問題だ。「学校に行かないこと」をどう捉えるかによって、課題は新たに次々と生まれ、解決のための施策を講じなければいけなくなる。視点を変えるだけで、取り組む必要のない施策も多くあるのではないか。

 無論、不登校の子どもを具体的に支える環境整備の重要性は切に感じている。しかしながら、2年前に大きな話題となった鎌倉図書館のツイートにあった「一日いても誰も何も言わないよ」という一文に秘めたまなざしこそ、子どもの「今」を支えるうえで、また不登校施策の今後を見据えるうえでも、欠かせない視点ではないだろうか。(東京編集局・小熊広宣)

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