冬きたりなば春遠からじ。英国の詩人シェリーの詩の名訳とされるが誰の訳詩かはわからないそうだ。暦のうえではもう節分、立春。春は近いのに、国際関係は複雑な分断、差別、武力衝突・戦争の空気が露わに満ちて、まさに冬の時代。
冬の時代へ備えのつもりか、わが国の政治の中枢では、戦争放棄の平和主義を定めた憲法9条などを変えて戦争に参加できる国へと進路変更の作業が始められ、ICANのノーベル平和賞受賞にも冷淡だ。戦争には学校教育の変質も必然だが、今年も新学期を前に中学生が相次いで自殺が起きるなど、すでに学校もまた子どもの心が凍える場所なのか。
622号 2024/3/15
「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…
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