不登校新聞

303号(2010.12.1)

子どもの「学びの平等」を求める決議

2013年09月02日 14:59 by kito-shin

【提言理由】

■21世紀に入って顕在化した経済格差をもたらす社会構造の変化、とりわけ教育福祉の分野での市場原理、自己責任論の強調、加えて世界同時不況がもたらした不況、失業、家庭の経済基盤の崩壊によって、いま子どもたちの多くは「新しい貧困」の問題に直面しています。その「貧困」は、保護者の経済状況が悪化した子どもたちを教育課程、とりわけ義務教育課程以後の教育課程から排除し、子どもたちのあいだに深刻な教育格差をもたらしつつあります。加えて、家庭への福祉的支援の貧困は、さまざまなハンディを抱えた家族を直撃する経済的困窮をもたらすばかりではなく、家族の社会的な孤立、物心ともに余裕を失った家族間の葛藤、あるいは保護者が子どもを受けとめることができなくなり、放任や子どもの虐待にさえ至るなど、人間関係の貧困をもたらしています。
 いま子どもたちが直面している貧困問題は、大人社会の経済的・精神的貧困によってもたらされているということができます。そのような環境のもとで、かけがえのない個人として受容され、豊かな成長発達を支援されることのない子どもたちは、孤立し、孤独感や不安を抱え、適切な自己肯定感をもってよい人間関係を形成することができないで悩み苦しんでいます。

■子どもが直面する困難を乗り越えるために何より必要なことは「学び」です。子どもはそれぞれの成長発達を遂げるために「学び」の機会を平等に保障されるべきです。それはたんなる学校の学歴の取得ではなく、多様な学びの機会を保障することです。
 貧困対策として施行された高校無償化法について、朝鮮高級学校をその対象から除外する動きがありましたが、学びの平等に反するという世論によって是正されました。民族や文化の違いを超えて、それぞれの違いを認め合い、相互理解と友好を深めるためこそ、学問の自由、学ぶ権利の平等な保障は大切なものです。

 また、現在、小中学校の不登校は文科省調査によれば毎年12万人を超える状況にあり、学校以外の学びの場であるフリースクールやフリースペースなどに通う子どもたちの家庭も経済的困窮により子どもの学びを断念せざるを得ない状況に直面し、援助を必要としています。
 定時制・単位制高校、通信制高校などに通学し、あるいは通学することを希望する子どもたちも同様に援助を必要とする状況にあります。
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