不登校新聞

476号 2018/2/15

不登校の子への「プリントお届け問題」届ける側から届けられる側になった私【当事者手記】

2018年02月13日 17:35 by kito-shin
2018年02月13日 17:35 by kito-shin



 不登校中、クラスメートが家にプリントを届けにくる。多くの当事者が経験したことだろう。しかし、実際のところ、本人たちはどう思っていたのだろうか。

 「このプリント、Aさんのお家に持って行くの、また頼める?」。そのときは何のためらいもなく、「はい!」と答えていた。私の中学生活の、ある一時期の日常であった。私とAさんは、3年間クラスが同じで、おたがいに中学に入って初めてできた友だちだった。

罪滅ぼしでプリントを届け

 しかし、Aさんは中学に入学をして少し経つと、いじめが原因で不登校になった。私は、Aさんのことを助けられなかった悔しさや申しわけなさを勝手に抱えつつ、Aさんの家にプリントやノート類などを持って行っていた。今思えば、当時の私にとっては一種の罪滅ぼしのような気持ちだったのだと思う。そして、家に行くことでAさんと一時でも会えることが、単純にうれしかった。

 しかし、中学の終わりごろから、今度は私が学校に行くのがしんどくなってしまい、高校1年のゴールデンウィーク明けごろから高校3年の3月まで、不登校になった。

 そこで起こったのは、私が中学時代にやっていたことと、まったく逆のことだった。

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