東北新幹線を一関駅で下車、宮城県気仙沼に行くため、大船渡線に乗り換える。凍てつくような風に首を縮めつつ待つこと十数分、電車が来た。手でボタンを押してドアを開ける。最終電車のためか、乗客は私をいれて2名だ。
あたたかい車内から、雪に覆われた沿線の山々や灯のもれる一軒家をみる。これは、冬の大船渡線。ひさしぶりに乗ったが、思い出した。そう、そう、私は、春のここの景色も知っているなあ、夏のここも、秋のここも知っているなあ、と。
622号 2024/3/15
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