不登校新聞

479号 2018/4/1

「俺も不登校だった」元ブルーハーツドラマー・梶原徹也さんに聞く【編集部オススメバックナンバー】

2018年03月30日 08:01 by koguma
2018年03月30日 08:01 by koguma



――いま不登校をしている子どもたちへのメッセージはありますか?

 俺も高校2年生のとき、1年くらい不登校で、ほとんど家のなかですごしていたんだ。当時は学級委員長などをすぐに引き受ける優等生タイプだったんだけど、器用じゃないから一つのことをこなすのに時間がかかってしまう。そのうち、勉強にもついていけなくなってしまった。

 何事も完璧にこなそうとする自分と、学校に行けない自分とのあいだの葛藤がしだいに大きくなってきてしまったんだよね。それで、体調も崩してしまって「もうダメだー」と、学校に行くことを投げ出してしまったんだ。

 そのときのつらい気持ちや体験って、いまでも鮮明に体に残っているんだけど、「いまが人生で最悪の時間だ」と思い込んでいたなかで、その後の自分の「核」となるものが見つかったりする。俺の場合、それがドラムだったんだ。

 自分の不登校体験を話すとき、俺はかならず「逃げてくれ」って気持ちを伝えるようにしているんだ。「周囲に迷惑をかけたくないから」と、みずから命を絶つ子どもたちのニュースを聞くと、本当にいたたまれなくなる。

 つらいときにはなかなか気づけないんだけど、他人にかけた迷惑って、あとでお返しする機会がかならずあるんだよね。だって、人間の可能性って、本人が考えている以上に内在しているから。 

 直線だと思っていた人生も、じつは複雑に折れ曲がっている。俺の人生だってこれから変化していく可能性はまだあるし、若いみんなにはもっと可能性が秘められていると思うんだ。だから、迷惑ってもっともっとかけていいと思うんだ。

――ありがとうございました。(文・写真/小熊広宣)

※2009年2月15日号掲載分を再編集

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