不登校新聞

479号 2018/4/1

公立の学校授業がおもしろくないのは「本質」を考えないから【シュタイナーで育った21歳の現在地】

2018年03月28日 14:41 by kito-shin
2018年03月28日 14:41 by kito-shin



 2018年2月24日~25日、東京で行なわれた「多様な学び実践研究フォーラム」(主催・多様な学び保障法を実現する会、フリースクール全国ネットワーク)。若者シンポジウム登壇者のなかから、松浦生さんの講演抄録を掲載する。一般的な学校に通わないなかで感じた思いやその後の進路について語った。

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 私は小学4年生から高校3年生まで、東京都立川市にある「東京賢治シュタイナー学校」(文科省無認可校)に在籍していました。

 それ以前は公立の小学校に通っていたんですが、「子どもが生まれたらシュタイナーのような教育を受けさせたい」と考えていた母に連れられて、「東京賢治シュタイナー学校」の見学によく行っていたんです。子どもながらに「なんで休みの日まで学校に行かなきゃいけないんだ」って思っていたんですけど(笑)。

考えさせる授業

 引っ越しを機に「東京賢治シュタイナー学校」に通うことにしたんですが、いちばんの決め手は「授業」でした。公立の小学校では友だちにも先生にも恵まれていたんですけど、「授業がおもしろいな」って感じたことがなかったんです。

 かたや、「東京賢治シュタイナー学校」の授業はおもしろかったし、「物事の本質を捉える力」を重視しているところが、私自身にも合っていたと思います。

 たとえば数学の場合、「この計算式はこの公式を使って解きます」と教わるのが一般的だと思います。

 ところが、シュタイナー教育では公式は教えてくれません。図形の問題ひとつとっても、紙を切り貼りしながら考え、自分たちで公式を見つけ出すところから始めるんです。

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