不登校新聞

479号 2018/4/1

中学は1日も通っていませんが、働くうえで困ったことはありません【不登校経験者が語る】

2018年03月30日 07:58 by koguma



 2018年2月24日~25日、東京で行なわれた「多様な学び実践研究フォーラム」(主催・多様な学び保障法を実現する会、フリースクール全国ネットワーク)。若者シンポジウムの抄録を掲載する。一般的な学校に通わないなかで感じた思いやその後の進路について語った。

***

 私は小学校1年生の途中から学校へ行かなくなりました。その後しばらくは行ったり行かなかったりという感じでしたが、中学校には1日も通っていません。25歳のときに生協に就職し、今は生協関連の介護施設で働いています。

 不登校になってから就職するまで何をしていたのかというと、基本的にはずっと家ですごしていました。中学2年生のとき、在宅不登校の家庭を支援している「ホームシューレ」に入会しましたが、それによって生活が大きく変わるということもなく、毎月送られてくる会員どうしの交流誌『ばる~ん』を読んだり、会員どうしの合宿に参加したりするぐらいでした。

社会性は育つ?

 「家にいて社会性が育つの?」とよく聞かれるんですが、どうでしょうね。私の場合、今でも人付き合いがあまり得意ではありませんから (笑)。

 25歳で就職した当初は、たしかに不安だらけでした。非常識なミスもいっぱいしました。それでも、まわりの人にいろいろ教わりながらなんとかやってこられたので、「学校で社会性を身につけなくては」ということにこだわりすぎなくてもいいんじゃないかなって思っています。

 もう一つの心配事として、「学力」の問題があると思います。私の場合、家ですごしているあいだも、国語や算数など、いわゆる教科学習はほとんどやっていませんでした。でも、マンガを読んでいれば漢字の読み方は学べるというように、毎日の生活のなかでおのずと身についていくことも多く、読み書きそろばんでとくに苦労した経験はありません。

そろそろ自立を

 「そろそろ自立しないとまずいかな」と思い始めたのは、23歳をすぎたころでした。働けと親に言われたわけではないんですが、親に迷惑をかけられないという焦りもありました。

 まずはボランティアからと思い、さきほど話に出た『ばる~ん』の編集に関わるようになりました。仕事の楽しさをしだいに感じるようになり、スタッフにも相談に乗ってもらうなか、興味を持ったのが生協でした。わが家でも取っていたので、本当に軽い気持ちで受けてみたら、運よく受かってしまって。

 私の最終学歴は中卒ですが、現在の仕事をするうえで、さほど困ったことはありません。その意味で、「やりたいことが見つかれば、学校にこだわることはない」と考えています。

 ではやりたいことを見つけるには何が大切かといえば、自分の好きなことにとことん向き合う時間と経験だと考えています。私の場合、どこかに通ってということではなく、家を中心に生活するなかで、そうした土台が築けたのだと思います。ですから、不登校で悩んでいる人に言えることがあるとすれば、「あまり心配しすぎないで」ということかなって思います。(了)

■『ばる~ん』とは■
「ホームシューレ」に所属する会員どうしの交流誌。毎月発行され、企画・編集・発送など、会員で行なっている。

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