不登校新聞

483号 2018/6/1

「当事者性」のアピール合戦はもううんざり「当事者」を問い直してみると

2018年05月28日 17:58 by kito-shin



 不登校・ひきこもりに関心を持っている露野美佳さん(仮名)は「当事者」という言葉について考えさせられる場面に何度も遭遇してきた。「当事者」を再考したいということで寄稿をお願いした。(東京編集局・茂手木涼岳)

 私は「当事者」という言葉が苦手です。よく、当事者会や支援者の集まりに参加します。そこで、誰かが「自分は当事者なんだけど……」と語り始めたとき、「当事者以外は、当事者の言葉を聞く義務がある」という空気を感じてしまうことがあるのです。

 はたまた、支援する立場の人が「当事者がこう言っているので……」「当事者の話を聞きましょう」などと言うとき、「当事者」を尊重しているようでいて「当事者」をひとくくりにしているのではないかと思えることもありました。そして、少数の「当事者」の話を聞いて「さすが、当事者の話には説得力がある」などと言って満足し、その問題についてじゅうぶんわかった気になっている人たちも、見てきました。言ってみれば「当事者」性のアピール合戦みたいになっている場面に、何度も出くわしてきました。

多様性の単純化

 「当事者」といっても、ひとりひとり、経験してきたこと・感じていることはちがうはずです。また、理路整然と語れる人ばかりでもないし、大勢の人に自分の経験や思いを聞いてもらいたい人ばかりでもないはず。

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