不登校新聞

483号 2018/6/1

“泥”のようにすごしていた時期に聞いた大人からのアドバイスは【別室登校中の14歳手記】

2018年06月01日 12:31 by kito-shin
2018年06月01日 12:31 by kito-shin



連載「ただいま別室登校中!」vol.13

 熊本地震の後、6月になって学校が再開しました。ですが、私はもう登校できなくなっていました。もう制服を着ることができず、玄関まで行くこともできませんでした。

 両親、とくに母親は、当時「学校にはかならず行かなければならない。そう決まっているものだ」という固定観念に縛られていました。布団からなかなか出られない私を叩き起こして怒鳴ったり、「情けない」と泣いたり、しまいには「産まなければよかった」とまで言われてしまいました。一方、そう言われている私も「生まれなければよかった」と思っていました。朝が来て学校へ行かなければいけないのが苦痛で「時間が夜のままで止まっていればいいのに」といつも考えていました。

 そのころは、昼間でもカーテンを閉め切り、部屋を暗くしたなかでベッドに横たわり、布団にもぐり込んでミイラのような格好でいました。気力も体力もなく、自分が海底の泥にでもなった気分で、文字どおり“ドロ~っ”と毎日をすごしていました。唯一のささやかななぐさめは、iPodで聴く音楽でした。クラシックやJ―POPを暗がりでくり返し聴いていました。

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