「大人になるとは、2次会でカラオケを歌うことである」。そんな持論を長く持っていたPNナラスカルさんにカラオケのコンプレックスや「克服法」を書いてもらった。
*****
私はカラオケが嫌いでした。この世にカラオケというものがあるせいで「大人になりたくない」とすら思っていたのです。なぜなら私の勝手な妄想ですが「大人」といえば「社会人」、「社会人」といえば「二次会」、「二次会」といえば「カラオケ」です。だから私にとって「大人になる」ということは「二次会でカラオケを歌わされる」ということなのです。布団のなかで「カラオケにつき合わなければいけない大人」という将来を想像し「ああ、死にたい」と思っていました。
なぜそんなにカラオケが嫌いだったのか。私は不登校をしてからずっと「自己表現」をする資格がないと思っていて、自分の思いや考えを人に伝えることができませんでした。とくに歌で表現するなんてもってのほか。幼いころ、友人の前で好きな曲を口ずさんだら鼻で笑われたことがあり、それからは家のなかですら鼻歌が歌えなくなりました。
読者コメント