「研究者が見たサポート校」vol.3
連載最終回となる今回は、生徒たちどうしはサポート校内でどのように関係性をつくっているのか、また、スタッフは生徒たちとどのように関わっているのか、について述べていきたいと思います。
第1回でも述べたように、サポート校には不登校、高校中退、自閉症傾向など、さまざまな背景を持つ子どもたちが多く在籍しています。そのため、多くの通信制高校とサポート校では「1年中いつでも入学可能」というように、転編入学の可能な時期が柔軟に設定されています。
では、こうしたなかで生徒たちは、どのように関係性をつくっていくのでしょうか。ここでは、筆者がサポート校を訪問して見た実際の光景をもとに解説していきましょう。
学期途中で転入してきたAさん。Aさんは全日制高校からの転校初日、午前中はひとりで黙々と授業を受けていました。しかし、昼休みになると、同学年の在校生Bさんが、「いっしょに昼ごはん食べよ!」といって声をかけ、楽しく談笑する姿が見られました。こうして少しずつに打ち解けていったAさんは、その日の帰り道、Bさんとその友だち数人といっしょに、最寄りの駅まで帰っていきました。
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