こういう意見によく出会います。「ベーシック・インカムって、働く人も働かない人も同じようにお金をもらうんですか」「はい、そうです」「同じなんておかしいですよ。働いている人がやる気をなくします」。
これは、生活保護の場合と混同しているんです。ベーシック・インカムの場合、働いた人と働かない人は同じではありません。働いた人は、給料をもらったうえに、そのうえベーシック・インカムももらいます。働かない人は、ベーシック・インカムだけです。働いた人は、稼いだ分だけ収入は多くなるんです。
生活保護は弱者保護です。働かなくても、働いている人に近いお金をもらいます。そうすると、大きな声じゃ言えないけれど、働いている人のなかには不満に思う人もいるでしょう。「働いても働かなくても同じかよ」って。それから「働けないってウソつけば、働かなくてお金もらえるじゃないか」って。
それで、生活保護を受けるときはお役所の厳しい審査があります。「あなた、ほんとうに困っているんですか」って。だもんで、生活保護は受給資格者の2割くらいしかもらっていないんじゃないか、っていう推定があるくらいです。
ところがベーシック・インカムというのは、発想がまったく違うのです。
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