不登校新聞

489号 2018/9/1

学校に行けないことは“悪” 不登校している自分を認められず【新学期前の心境】

2018年09月10日 14:14 by kito-shin
2018年09月10日 14:14 by kito-shin



 「事故に遭えば学校を休める」と思い、母が握っていた車のハンドルをガードレールのほうへ動かそうとし、怖くなってやめたことがあります。小学6年生のことです。

 小6の秋、私は突然、学校へ行けなくなりました。学校へ行こうと思うと玄関で足が止まってしまったからです。いまふり返っても学校へ行けない理由はわかりません。友だちもいたし、行けば楽しいこともありました。

 でも学校にいると息苦しくなり、帰ってくるとすごく疲れていて気が重くなりました。

 学校へ行けなくなってからは「行きなさい」と言われることはすごくつらいことでしたが、それとともにイヤだったことがあります。それは大好きな母親と、学校へ「行く」「行かない」を言い合うことでした。

認めたくない

 私はずっと「学校へ行きたくない」という言葉を誰にも言うことができませんでした。学校へ行けないことが悪いことだと思い、「行けない自分」になったことを自分で認めたくなかったからです。

 また、「行きたくない」と言えば絶対に理由を聞かれます。

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