不登校新聞

492号 2018/10/15

いじめ問題を取材して20年 報道から見たいじめ調査の問題点

2018年10月18日 10:26 by kito-shin

 今回は、日本テレビ報道キャスターの岸田雪子さんのインタビューを掲載する。岸田さんは報道キャスターを務めるかたわら、いじめなどの教育問題を長年取材し続けている。6月に出版した新著のほか、いじめを取り巻く環境の変化などについて、お話をうかがった。

――著書『いじめで死なせない~子どもの命を救う大人の気づきと言葉』を出版するいきさつからお聞かせください。

 いじめについては20年以上取材を続けていますが、過去の事例から知識や教訓として積み重ねるべきものが社会全体で共有されていないという危機感をずっと持っていました。

 私はテレビ一筋、報道一筋の人間です。いじめ問題もテレビを通じて伝えてきたつもりですが、より多くの人と知識を共有するためには、書籍化というのもひとつの手段ではないかと思ったのがきっかけです。

 「死なせない」というタイトルにしたのも、いじめで子どもが死なずにすむ社会を大人はどうしたらつくれるのか、そこが問われているとの思いからです。ですので、子どもに「死なないで」と伝えるのではなく、あくまでこの本で訴えたい相手は大人なんです。

――この20年間、いじめを取り巻く環境で変化を感じるところはありますか?

 ふたつあって、ひとつは「手段」です。

 子どもの多くがSNSを使うようになり、「LINE外し」のように、仲間外れの手段とされてしまうことも増えました。ネットいじめは、加害意識が低いままに参加してしまう子も多いので、同調圧力という点については、インターネットがない時代と比べて強まっていると思います。

 もうひとつは「家庭」です。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「書いて見えたのは世界の輪郭」現代詩のエース・最果タヒの原点

494号 2018/11/15

「学校は死刑台だった」今も“それせか”が当時を歌う理由

486号 2018/7/15

本屋大賞・辻村深月が「最も緊張した」と語った取材 不登校当事者が聞いたこととは

480号 2018/4/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

494号 2018/11/15

文科省の調査によると2017年度に不登校した小中学生は14万4031人。5...

493号 2018/11/1

「他人と関わるのが怖い」と言って10年ひきこもっていた鬼頭信さん(30歳)...

491号 2018/10/1

棋士ならば頭のなかで100手以上も先のことを考えることができます。しかし的...