「他人と関わるのが怖い」と言って10年ひきこもっていた鬼頭信さん(30歳)は、その後、ひきこもりの当事者会や本紙の取材に参加し、今年5月からバーのマスターを始めた。毎日のように見知らぬ人を接客する仕事だが、どのような経緯でバーのマスターになったのだろうか。その背景や心境の変化をうかがった。
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――まずは現在の仕事から教えてください。
今年5月から「やさいとお酒のお店 key to」(名古屋市西区)というダイニングバーを始めました。開店は週3日。午後3時ごろからお店に入って準備し、お店を閉めて片付けが終わるのは午前2時ごろです。それ以外は在宅で週2日、WEB版『不登校新聞』の発行を手伝っています。
――そう考えるとほぼ毎日、働いていますね。
そうなんです。なので「ひきこもりです」とは、もう言えません。ただ、どこかの企業で働いたことはないので「社会人」というには抵抗があるんですが。
カースト上位のいじめと人間関係
――鬼頭さんは中学2年生から約10年間、ひきこもっていました。きっかけはなんだったのでしょうか?
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