毎年、開催されているデモクラティックエデュケーションの世界大会、IDEC(International Democratic Education Conference)は、2006年は7月11日~17日、オーストラリアのシドニーで開催された。以下、概要をお伝えする。
今回の主催は、オーストラリアでも古いオルタナティブスクールであるカランベーナ校が中心となり、オーストラリア国内の他の関係者と協力して開催にこぎつけた。オーストラリアには、現在11のオルタナティブスクールがあり、ゆるやかなネットワークを組んで活動している。
参加者は約200名。参加国は、地元オーストラリア、隣国のニュージーランドをはじめ、アジアからは韓国、日本、ビルマ、タイ、ネパール、イスラエル。ヨーロッパからはドイツ、スペイン、スイス。そしてアメリカなどから、オルタナティブスクール約30団体と、個人の研究者や公立学校の教師などが参加した。
参加者200名のうち170名が1週間宿泊をともにし、上から教え込む教育ではなく、子どもを主体とするデモクラティック(民主的)な教育について研修し、交流し、話し合った。
日本からは、寺子屋方丈舎(福島県)、東京シューレが参加した。
1993年に始まったIDECは、毎年、各国持ち回りで開催され、06年で13回目を数える(01年イスラエル・パレスチナでの開催予定は、戦争の影響で中止となった)。日本では、2000年に第8回大会が開催された。07年はブラジルで開催される予定。
IDECは、開催国によって大会のあり方が大きく異なるが、今大会準備の中心となったセシリアさんは、「①いかに参加者に気持ちよく参加してもらえるか、②用意して提供するのではなく参加者でつくり合う大会にしたい、③参加者どうしでつながってほしい、という3つを方針に準備してきた」と語った。
セシリアさんはカランベーナ校を中心的に支えてきた元スタッフで、オーストラリア国内のオルタナティブ教育と、そのネットワークで活躍してきた人物である。
そして、彼女が語ったように、今年は、アットホームな雰囲気で、すべての参加者がおたがいに顔なじみになり、言葉を交わせる大会規模と運営方法だった。
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