連載「母親の気持ちが落ち着くとき」vol.11
長男が不登校をしていたころ、つらそうにしているようすを見ていて「今すぐどこかに通うことは無理だ、とにかく家でおだやかにすごさせたい」と思いました。
しかし、私の夫、つまり長男の父親はそうではなかったのです。夫はもともと、子どもや私のことを叱ることはあっても、ほめるようなタイプの人ではありませんでした。
長男は、生気のないようすでテレビをぼうっと観ているかと思えば、不安から家のなかを歩きまわったりしていました。それを見た夫が舌打ちをすることもしょっちゅうありました。
夫の視線を敏感に感じ取ったからか、長男はおびえたり、イライラしたりと、まったく落ち着かない日々をすごしました。
そのうち、夫が仕事から帰ってくると、自分の部屋にこもるようになりました。
2階の壁を殴って穴をあけてしまうこともあり、家のなかは四六時中、ピリピリとした空気が流れていました。
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