連載「不登校からの母親日記」vol.8
卒業式を迎えるにあたり担任から電話があった。
「式に来られないようなら、みんなが帰った午後から校長室に来てください。私たちは袴を脱がないで待っています」。
娘が学校へ行きしぶり始めたときは、出席日数のことを、あんなに心配したのに、それについての説明もなかった。
私からお願いした「友だち関係のトラブル」については調査結果もない。調べてくれたのか、調べることもなかったのか、それすらわからない。そして、とうとつに「ひとり卒業式」の電話。もうはらわたが煮えくり返った。そんな言い方ってある!? 私は、娘に提案をした。
「卒業式は行きたくないかもしれないけど、けじめをつけよう。この小学校とおさらばするために。自分の手で卒業証書をもらっておいで!」。
娘の背中を強く押した。娘は「うん」と同意し、卒業式に着ていく服を選びに行った。お店には、子ども向けのスーツがたくさん並んでいたが、娘はスーツには目もくれず、グレーのジャンパースカートを見ていた。
「みんなと同じ格好はイヤ、これがいい!」。
卒業式の朝 娘とふたりで
卒業式の朝、娘は布団から出てきた。髪を整え、選んだジャンパースカートを着て、2人で学校へ向かった。
教室には、子どもたちから保護者への手紙が置かれていた。いつ書いたのかはわからないが、娘の手紙もあった。そこには小さな小さな消え入りそうな文字で、こう書いてあった。
読者コメント