◎連載「ひきこもるキモチ」

 ひきこもりを脱して数カ月、外出にも躊躇がなくなり、少し自信もついてきた。仕事をしなければならないと思い、仕事探しを始めた。
 
 以前から「障害者雇用」という障害者のための特別枠雇用制度があるのを知っていたので、近所のハローワークに行くことにした。障害者雇用の窓口に行くと、とても雰囲気が暗く誰も窓口には座っていなかった。席についてようやく出てきたのがとても愛想の悪い中年男性で、「なんのようだ?」と言わんばかりの態度であった。
 
 僕はひと通り事情を話し、現在、精神障害者の手帳を持っていることを説明した。そこで男性が驚くような発言をする「探してもいいけど、たぶん仕事はないよ」と。
 
 くわしく聞くと、この障害者雇用の制度は建前では全障害者に開かれてはいるが、本音の部分は病気や怪我で障害者になった元健常者や、精神に問題のない身体障害者や知的障害者をおもに雇用するための制度だという。求人情報も、言葉を濁してはいたが、法律上しかたなくやっている見せかけ求人が大半らしい。
 
 ハローワークに隣接している障害者就労支援NPOを紹介され、そこに行くことになった。職員の数もパッと見るとたくさんいたし、ハローワークはダメだったが、ここではなんとかなるんじゃないかという期待があった。

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