世界大会。その道の達人たちが肉体の限界に挑戦し、神業を披露して、われわれを魅了する。ルービックキューブにも世界大会があることを知った。すさまじいスピードでキューブを完成させ、秒単位で競い合う、神業の世界がある。
2005年世界大会では、2部門で2人の日本人が優勝している。その世界王者の一人、秋元正行さん(40歳・医師)にルービックキューブの世界について、お話をうかがった。
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秋元さんは医師として働くかたわらルービックキューブ競技者として、03年世界大会「(縦、横、奥行きが)4列部門」「5列部門」優勝。05年世界大会「2列部門」優勝。
「5列部門」日本記録保持、という実績を持つ。日本ルービックキューブ協会の会長としても活動されている。
そもそも秋元さんのキューブ歴は、中学3年生ごろ、友だちにルービックキューブを貸してもらったのが始まりだった。
「最初はどうやってそろえるのかわからないし、全然うまくいかなかったんだけどね。その後、教えてもらいながらでしたけど、のめりこんでいきました」。
1978年、エルノー・ルービック氏により発明されたルービックキューブは、世界的なブームを巻き起こしていた。日本に登場したのは1980年。わずか8カ月間で400万個が販売されている。
そのブームに乗って81年第1回全日本キュービスト大会が開催された。当時、まだ高校生だった秋元さんも参加し5位入賞、同年の第2回大会では4位にと、実力を高めていった。
そして82年に、記念すべき第1回世界大会が開催された。3列のルービックキューブを22秒95で完成させるなど、多数の世界記録が樹立され盛会に終わった。
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