不登校新聞

504号 2019/4/15

落ち着きがないのはADHDかも、そんなとき大事な「9分だけ理論」

2019年04月12日 12:24 by koguma

【質問】先日、小学校2年生になる孫に「注意欠如・多動症(AD/HD)」という診断が出ました。たしかに、昔から落ち着きのない子でしたし、学校でも忘れ物が多いようです。最初はあまり気にしていなかったのですが、服薬や二次障害に関する話をネットで読むにつれ、だんだん不安になってきました。祖父母の立場でできること、またどんなことに気をつければいいのでしょうか?

* * *

 「AD/HD」という言葉は、おじいさん・おばあさんにとっては、耳慣れない言葉かもしれませんね。

 しかし、「落ち着きのない」「忘れ物が多い」ことに加え、「おしゃべり」で、買い物などにつれていくと迷子の呼び出し放送が必要になるほどの「多動」の子どもは、あなたの周囲にも、けっこういたのではないでしょうか。

 誰も統計調査はしていないと思いますが、昔から医学部の学生には「AD/HD」を持つ人が多いと言われていました。私も医学部の教員をしていた時期がありますから、それはよくわかります。

 たとえば、外科志望の学生だと、手術の見学は何時間でも熱心に行なうのですが、精神医学の講義だと10分くらいで飽きて、教室から出ていってしまいます。精神科志望の学生は、その逆の行動をとります。

 あなたのお孫さんは、小学2年生なのですね。だったら、9分間くらい集中できれば、読み書き・計算の勉強は、十分にできます。

 もし宿題がたくさん出されたとしても、9分間だけやってもらって、達成できると誉めるのがいいでしょう。それをずっと続け、だいぶ経ってから目標を11分に伸ばしてください。

服薬は必要?二次障害って?

 学校でも同じで、最初は9分間を目標にして褒めるのです。その時間がすぎて立ち歩いてしまうときには、教室の外にクールダウンのできる場所を予め用意しておく工夫が役立ちます。

 難しい工夫ではありません。空き教室などの隅に天井からカーテンを吊り下げ、半畳くらいの空間を設けておくだけです。

 子どもは、いつでもそこへ行っていいし、そこから教室へ帰って来たときには、いつも歓迎されるのです。

 上記のような工夫なしに、「服薬」をさせるべきではありません。それは、研修を受けた医師であれば、誰もが知っていることです。急いで服薬が必要になるのは、しょっちゅう道路にとびだして、交通事故にあうような場合だけです。

 それから、「二次障害」というのは、他の子どもを殴ってしまうなどの行動を指しているのでしょうか。

 だとすると、それは、悪い子だと叱られ続けた結果、自分で自分のことを大切に感じられなくなった場合に生じる行動です。自分を大切にできないと、他人も大切にできなくなるからです。

 そうならないためにも、あなたは、お孫さんのよい点を、たちどころに10個以上言えるようにしておいてください。

 そうすれば、自然にお孫さんを誉めることが増え、お孫さんは自分を大切にできるようになります。

(たかおか・けん)1953年生まれ。精神科医。岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター・児童精神科部長。著書に『不登校・ひきこもりを生きる』(青灯社)、『引きこもりを恐れず』(ウェイツ)など多数。

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