連載「仮説なんですが…」vol.32
臨床心理士という職業上、不登校の子を持つ親の方から「子どもの心が回復するきっかけ」についてよく聞かれます。
具体的には「アルバイトのチラシをそっとテーブルに置いておこうと思うんですが」「高校の案内チラシを見える場所に置いとくのはどうでしょうか」などです。
一方、いろんなきっかけを子どもに持ち込んで、結果、子どもから心のシャッターを閉められてしまった経験がある方も多いかと思います。
子どもにとっては、きっかけを持ってこられる恐怖ってあると思います。不登校の子は基本的に「親の期待には応えなければ」と悲壮なほどの覚悟を持っています。
しかし、不登校をした時点で期待を裏切ってしまったと自分を責めています。そんな状態で新たな行動へのきっかけを親から持ってこられるのは、とんでもない恐怖です。
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