執筆者 喜久井ヤシンさん
不登校・ひきこもり経験者の喜久井ヤシンさん。自分自身に残る「喪失感」について書いてもらった。
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私はユーチューブに出ている学生の映像を見て号泣したことがある。べつに全然特別な場面ではない。
放課後に寄り道をしているとか、どうでもいい話をして笑ってるとか、何気ない日常を映しただけの映像だ。それなのにたまらなく悲しくなってきて泣けてくる。
この複雑な感情を言葉にするなんてできないと思えるが、一言で言えばたぶん「喪失感」というありがちなやつだ。
学校を知らない
私は小学校から学校へほとんど通わないで大人になった。小説や青春ドラマで出てくるような、学校のキラキラした感じをまったく知らない。
クラス内での恋愛とか、年に一度の文化祭とかをひとつも経験していないのだ。その意味ではリアルな学校も、私にとっては「ハリー・ポッター」の魔法学校と変わらない空想の世界である。
私の喪失感は、学校のよかった部分だけではなく、悪かった部分にも反応しているのでたちが悪い。
読者コメント
匿名
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