不登校新聞

298号(2010.9.15)

居場所発の自立援助ホームを

2013年10月10日 12:29 by kito-shin


 居場所開設20周年を迎えた「フリースクールりんごの木」(埼玉県)が、新しい自立援助ホームの設立に向けて準備を続けている。自立援助ホームとは、家庭の支援を得ることができず、就労することも難しい15歳~20歳までの若者のためのグループホームのこと。一般的には児童養護施設の退所者が対象だった。
 
 自立援助ホーム設立を目指す経緯について、りんごの木は「20年間、フリースクールをやってきて、家庭が子どもをまるごと引き受けられないケースを痛感してきた」と言う。発達障害、精神障害、貧困、家庭内暴力など、さまざまな要因から家族は居ても家に居場所がなく、生活全般にわたる支援の必要性がある子どもたちと出会ってきた。そして、その子たちにとっては、従来の自立援助ホームのように、半年から1年での自立(退所)や就労を積極的に促す場ではなく、フリースクールのように「子どもの気持ちにより添った生活の場が必要」だという結論に至った。また、現在の児童養護施設では高校進学をしない子どもの場合、15歳で施設を強制的に退所させられてしまうケースも多い。就労・進学の如何を問わず、子どもを支える場の必要性も感じていた。
 
 そこで、昨夏より新しい自立援助ホーム開設に向けて本格的に準備を始動。第一回の学習会には遠藤浩さん(全国自立援助ホーム連絡協議会代表)を招いた。そして、9月26日には渡井さゆりさん(NPO法人日向ぼっこ理事長)を講師に招き、第2回目の学習会を開く。また、同日は評論家・芹沢俊介さんもスーパーバイザーとして出席する予定。
 
 渡井さゆりさんは、1983年に大阪で出生。すぐに住まいを転々とし、就学後から児童養護施設などで生活。高校卒業と同時に施設を退所し、住み込みの仕事に就くものの精神的に不安定な状態に追い込まれる。そうした経験から、23歳のときに、児童養護施設の卒園者の支え合いの場「日向ぼっこ」を創設。
 
 当日、渡井さんは、ご自身の体験から「子どもたちが『生の肯定感』を持てる大人の関わり方」をテーマに話す予定。詳細は上記を参照に。

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