児童精神科医の故・渡辺位さんがアドバイザーとして参加していた「親ゼミ」という親の会があります。
あるとき、参加していたお父さんが「同じ言葉でも受け手によってちがう。一筋縄ではいかない」と話したことがあります。
渡辺さんは「言葉がひとつの意味だけではないと、何をきっかけに思われたのですか」と尋ねました。
そのお父さんは「子どもとの関係で見えてきた」と答えました。同じ言葉を話しかけたのに、子どもが和やかな反応をするときもあれば、怒ったような反応をするときもあると気づいたというのです。
それを聞いた渡辺さんはたった一言、「その第一歩を忘れずにいてください」とおっしゃいました。あのときのやりとりは、今でも私の心に強く焼き付いています。
親の会でも「子どもが不登校になったり、ひきこもったりしたとき、どんな言葉をかけたらよいのでしょうか」という質問はよく出ます。
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