中学1年生で不登校になり、現在は作業療法士として働くひなさん(24歳)にお話をうかがった。ひなさんは自身の不登校をふり返って「不登校経験が自分の強みにもなった」という。当時つらかったことや、前を向けるきっかけとなった親の言動などについて話していただいた。
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――不登校になった経緯を教えてください。
中学校1年のときに不登校になりました。私は中学校に入学してすぐ、練習がキツいことで知られるバドミントン部に入部し、進学塾にも通い始めました。
中学生になると今までできなかったこともできるようになると思い、がんばってみたかったんです。
でも、部活が週4日、塾が週3日あるので、毎日予定が詰め詰めの状態でした。
もともと運動神経が悪かったせいで部活はついていけないし、塾も通っているわりには学校の成績も伸びないし、うまくいかないことが増えてきたんです。いま考えたら、欲張りすぎたのかもしれません。
そんななか、仲がよかった友だちと、ちょっとしたことで関係が悪くなり、仲間はずれにされるようになってしまいました。
いろんなグループを渡り歩きましたが最終的にひとりぼっちになっちゃって、「もうイヤだ」と思って。それまでも病欠を理由にちょこちょこ休んでいたのですが、2月ごろから学校へ完全に行かなくなりました。
同級生が家まで
――不登校をしているあいだ何がつらかったですか?
同級生の存在です。学校を休んでいるあいだも「ほかの子はふつうに学校へ行っているんだ」と思ったり、同級生が家まで来て「学校へおいでよ」と声をかけられたりすると、しんどかったです。
外に出るときはなるべく同級生に会わないように、学校から離れたルートを通っていました。
でも、地元だからどうしてもばったり会っちゃうんですよね。そんなときはめちゃくちゃイヤでした。
それから最初のころは昼夜逆転に悩みました。「こんなふうになって将来どうするんだろう」と考えたりすると、夜は眠れませんでした。
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