【解説】昼夜逆転はどうして?
本連載では当事者の経験を漫画化してお届けします。今回は昼夜逆転。自分自身や家族との関係の「折り合い」をつけるため、多くの子が通る道が「昼夜逆転」です。朝に目が覚めて、夜は眠る。そんな「当たり前」だと思われている生活リズムがひっくり返って、夜に目覚めて、朝が来てから眠る生活を「昼夜逆転」と言います。この昼夜逆転生活、不登校だと、ほとんどの子どもが通る道だとも言われています。私自身も不登校だった中学2年生のときは、昼夜逆転生活となり、深夜がメインの活動時間だったこともあります。なぜ深夜に活動するのか。深夜は「学校へ行かない時間帯」であるため、無意識に本人の気持ちが落ち着くためだと言われています。つまり、不登校の自責の念が薄まり、その間だけ心の元気が取り戻せるようになるのです。また、この漫画のように親とのバトル……、と書くとまだ平和ですが、親子で傷つきあって消耗していくことを避けて昼夜逆転をする人も多いです。
昼夜逆転はぎょっとする人も多いです。「もう二度とふつうに戻れなくなる」と思い詰める親も多いです。しかし、本人の「今」を大切に、昼夜逆転生活も生活リズムのひとつだと保障されると、漫画のように自然と昼夜逆転がおさまっていく人が多いと言われています。(東京編集局・石井志昂)
【プロフィール】棚園正一(たなぞの・しょういち)82年生まれ。名古屋市在住。小1より不登校をし、義務教育期間はほとんど学校へ通わなかった。漫画家として、『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)、『マジスター 見崎先生の病院訪問授業』(小学館)などを執筆。
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