【解説】
漫画に登場した女性ですが、実際には「死にたい」と思うだけでなく、リストカットや自殺未遂をするなどもしていました。彼女自身を追い詰めたのは、学校のいじめでした。
いじめを受けるということは「人格否定」がくり返し行なわれ、生きる気力すら奪われることになります。
そんな追いつめられた子どもに、親は何ができるのか。このお父さんのように「喜ぶ」ことが大事だという話はよく聞きます。
ポイントは「ホメる」ではなく「喜ぶ」です。ホメて育てるのがいいとも言われますが、ホメるってなんだか上目線ですよね。
そうではなく、親が素直に子どもの行動に喜ぶ。喜ばれて、彼女が感じたのは「生きている気がする」ではないかと思います。
お父さんの「おいしいよ」は、なんでもない一言ですが、とても大事な一言であり、そのことで本人も前を向いていったそうです。(東京編集局・石井志昂)
■プロフィール……(たなぞの・しょういち)82年生まれ。名古屋市在住。小1より不登校をし、義務教育期間はほとんど学校へ通わなかった。漫画家として、『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)、『マジスター 見崎先生の病院訪問授業』(小学館)などを執筆。
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