不登校新聞

516号 2019/10/15

集団に入ると体が動かない園児の息子。その理由がやっとわかりました

2020年04月16日 13:25 by shiko

 入園してから4週目を迎えるころ、繊細で感受性の鋭い気質の息子たけるも、だいぶ幼稚園に慣れてきました。ゴールデンウィークに入っても、「そんなに長くなくていいのに。早く行きたい」と言うほど。連休が明けても、ふり出しに戻ることなく、園での虫取りや、ごっこ遊びの再開を喜んでいるようでした。

 しかし、それでも苦手なことは苦手、それは一貫しています。たとえば、ほかの園での交流会や、小学校校舎で行なわれる催し全般。

 これらにかぎっては、ママがいっしょだろうとまわりがサポートしていようと、いっさいの笑顔が消え、表情がなくなります。

 なかでも、ほかの園と合同で行なわれる大人数の運動教室は大の苦手でした。

 運動教室が始まると、アンテナを張りめぐらせるように、注意深く周囲を観察するたける。自分と同じように嫌がっているのに、大勢の波に押し流されていく子どもたちの姿も目に映っていたようで、たけるの身体も固くなってきました。

 結局、私と同伴でなんとか参加していましたが、そんななか、たけると同園の子が、とまどって動けなくなっていました。もう泣き出しそうです。

寄り添う姿が

 その瞬間、担任の先生が、その子のもとにササっと移動し、ぴったり寄り添い、

 手を取っていっしょに動作を始めたのです。たけるは、それをじっと見ていました。

 私「先生優しいね」

 たける「ね」

 先生に守られて動いた子の姿は、たけるとも、自分の子どものころとも重なり、胸がじーんと熱くなりました。

 とはいえ、次々に指示がきて、集団の波にのまれる運動教室では、たけるはやっぱりすぐに充電切れ。2回目には途中で離脱したので、今後は見学希望になることも覚悟しました。

 たけるに聞いたら「どんなことをするのか、いつまであるのか、ちゃんと教えてくれたらガマンできる」とのこと。

 その話を夫にするとこう言いました。

 夫「それ大事だよね。たけるの主体性の表れでもあるんじゃないかな」

 私「主体性?」

 夫「流されない。自分が何をするのか把握して主体的に取り組むことが原動力で、勝手に決められて主体性を奪われるとショートする感じかな」

 私「たしかに! 自分を持つって、たいへんだけどすごいことだね!」

 夫「うん、たけるのそういうところはつぶしたくないよね。そこに見学でもいいとか、二つのうちの好きなほうを選んでいいとかという選択肢があると助かるんだけどね」

 たしかに! 充電切れも、見学も、わがままや甘えなどではない。ちゃんと理由がある! と、力強く思えました。(文・絵 斎藤暁子)

■著者略歴/(さいとう・あきこ)『HSC子育てラボ』代表。心理カウンセラー。息子たける(9歳)と精神科医の夫は、ともに敏感・繊細気質。著書に『HSCを守りたい』(風鳴舎)など。HSCとは/「Highly Sensitive Child」の頭文字を取った「HSC」は、心理学者エレイン・N・アーロン氏により提唱された概念。「ひといちばい敏感な子」などと訳されている。HSCは障害や病気の名前ではなく、生まれもっての気質。

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