不登校新聞

522号 2020/1/15

不登校からの進学問題、精神保健士が大事にする原則

2020年01月14日 12:18 by kito-shin
2020年01月14日 12:18 by kito-shin

連載「不登校・ひきこもりの家族が迎える5つの関門」vol.6

 バイステックの原則②「クライエントの感情表現を大切にする」と原則③「援助者は自分の感情を自覚して吟味する」を踏まえて、子どもと関わることで親子関係はとても安定し、良好なものになります。

 しかし、その先に関門が待ちかまえています。その代表例が「進路問題」です。とくに中学生も後半になると、高校進学をどうするかで家族は大きく揺れます。

不登校からの進学問題

 バイステックの原則を一言で言えば「受容」です。しかし、不登校やひきこもりでもそれが難しいのは「みんなと同じようにしてほしい」という親の気持ちではないでしょうか。

 その発想が高校進学を考える際にとくに強くなり、進路指導をする学校もまた、なんとか高校へ入学させたいと願います。

 それも無理はありません。高校への進学率はいまや98%以上にものぼり、進学できないと「おしまい」と考えてしまう現実があるからです。

 しかし、本当にそうでしょうか。高校進学への思い込みをいったん捨てて「15歳の春にかならず高校へ行く必要はない」と考えられたら、子どもも家族も元気になって親子関係が回復していくという話がじつに多いのです。

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