哲学者・教育学者の苫野一徳さん(熊本大学准教授)にお話をうかがった。苫野さんは「教育の本質とはなにか」という問題意識から教育論を発信されている。現在の学校システムの問題点や、苫野さんが目指す教育のかたちについて、お話しいただいた。
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――学校の問題に対して、大勢の人がさまざまな批判をしてきました。しかし問題が多すぎて、私は「結局どうしたらいいのか」と途方に暮れるような思いがしています。
教育哲学の分野でも、学校への批判が何十年もくり返されてきました。一つひとつの問題を指摘していくことは大事です。
けれど批判をしたあとで、「ではどうするべきなのか」という根本を、誰も答えられなくなっていたんです。
議論するとしても、「よい教育とは何か」という原理を押さえておかなければなりません。
そうでないと、人それぞれの好き嫌いのちがいになりかねないんですよね。
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