不登校新聞

526号 2020/3/15

「不登校の親子関係を良好にする」ただ1つの原則

2020年04月23日 12:30 by kito-shin
2020年04月23日 12:30 by kito-shin

 里親――通常の親権者ではないが、親と暮らせない子を養育する者。里親・里子は、血縁がないからこそ「親子とは何か」という真剣な葛藤を経てきている。そこで得た答えは、どんな親子にも示唆の富んだものである。そこで今号より、里親・里子を題材に「親子」を考える連載をスタートする。第一回目は里親・里子を取りあげた『もういちど親子になりたい』の著者・芹沢俊介さん(社会評論家)のインタビュー。

――『もういちど親子になりたい』(主婦の友社)を書いたきっかけから教えてください。
 僕は家族論を30年以上やっていますが、だんだんと関係がうまくいってない親子が増えてきたなあと感じていました。まず若い人たちは、親から「見捨てられた感」を抱いている。もちろん人によって思いの度合いはちがいますが、一様に子どもが親子関係への飢餓感を持っています。

 一方で若いお母さんたちから「親子関係がうまくいかない」という話をよく聞くようになりました。一般的な子育ての苦労に悩んでいるのではなく、本当にうまく親子関係が築けていないんですね。さらには保育士さんから「幼児が荒れている」ということもよく聞くようになりました。

 親子で「ある」と親子に「なる」

 そういう話を聞くたびに「子どもの訴えが置き去りにされているなあ」と感じます。子どもが「ねえ」とお母さんを呼びかけてもふり向いてくれない。子どもの呼びかけが、いつも大人の都合の後回しになってしまう。携帯でメールを送りながら授乳をするようすなどは象徴的で、あらゆる場面で子どもが親から存在を正面から認識されない状況が増えています。

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