自分なんて、生きていていいのかな――。本書の帯に書かれたその一言は、多くのひきこもり当事者が語る本音だと思います。
本書はフリージャーナリストの保坂渉さんが4人のひきこもり当事者や経験者を取材したもの。
いじめで不登校になったことをきっかけにになった者。就職した会社になじめずにひきこもった者。なかには、10年以上ひきこもった者もいれば、ひきこもりを何度かくりかえしている者もいます。
それぞれが自身の生い立ちを交えながら、またその状態を抜け出すまでの過程の語りを読んでいくと、ひきこもりが持つ多様さにあらためて気づかされます。
登場人物の一人である雅人さん(仮名)は、小中学校でのいじめが原因で、高校 1年生のときに不登校になります。
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