当時の気持ちを発信したい


 「なんでお前がここにいるんだよ!!」。教室のドアの前で立っている私に向かって、小学校のクラス担任だった先生が言った言葉らしい。

 「らしい」というのは、私自身がこんなことを言われた記憶がないからだ。人間の脳というのはよくできて、いやな記憶はきちんと忘れるようになっているというのは本当のことだと思う。

 なぜ、私がこのことを知っているのかというと、その日は学校に行く私に母が付き添ってくれていたからだ。その母が廊下で先生の言葉を聴いていたのだ。この先生の影響かどうか知らないが、私の9年間の不登校歴は小学1年生の冬から始まる。

 小学生のときは、とにかくヒマで困った。私が住んでいたのは長野県の田舎なので、遊びに行く場所も少ない。だからひたすらゲームばかりしたり、マンガを読んだりしていた。こんな生活を続けていたら、気がつくと中学生になってしまっていた。

 中学生のときは、勉強をがんばった。学校にふつうに行ける人に対して感じる劣等感を少しは軽くすることができたからだ。中学生ともなれば、部活や文化祭などで忙しくなる。私は文化祭のような、一生の思い出になるイベントを心の底から楽しむことのできる人々が、羨ましくて仕方がなかった。

 そんな人々と自分を比べて、私は学校にも行けない、学校行事も生徒会も楽しめないというどうしようもない劣等感を感じていた。勉強はそんな劣等感から逃がれるための逃げ道だったのだ。

この記事は登録読者だけが閲覧可能な内容を含みます。続きを読むにはPublishers IDによる読者登録が必要です。