不登校新聞

543号 2020/12/1

小1から14年ひきこもった女性がキャバクラで働いて気づいたこと

2020年12月01日 11:00 by motegiryoga

 私は小学校1年生から不登校、20歳までひきこもり、その後バイトを始めてからも極度のコミュ障で人見知り、とにかく生きづらい人生だった。

 24歳のころ、キャバクラで働き始めた。人見知りをなおして、たくさんの人と話したかった。そして酒を飲んで金をもらいたかったからだ。

 最初はお客さんにすごく気を使って、どもりながら話していたが、何年も働いているうちに初対面の人ともフランクに話してバカ騒ぎできるようになった。そこで話すことは本当に他愛のない日常のこととか、仕事のグチとか、好きなゲームの話とか、中学生みたいな下ネタとか、こんなことでお金をいただいていいんだろうかと思う内容だ。

 キャバクラに遊びに来る人は社会的に成功して、お金のある人たちだ。そんな人たちがわざわざ高いお金をはらって酒を飲みに来る理由が最初はわからなかった。立派な大人は同じように立派な大人と「建設的な話」がしたいんじゃないのかしら、と。でも最近は、お客さんたちの気持ちもわかるような気がする。

 お客さんたちはお酒を飲みながらくだらないお話をひとしきりすると、笑顔で帰っていく。きっとふだんの「立派な社会人」や「よき夫」「優しいお父さん」に戻るんだろう。

 でも、「立派な大人」をつねに演じているのはしんどい。生きていればどうしたってイヤなことはあるし、ムカつくことも、悔しいことも、苦しいこともあると思う。そんなとき、「くだらない」と思われるかもしれないグチをうんうんと聞いてくれたり、いっしょに酒を飲んでバカ騒ぎして、心のモヤモヤを発散させてくれる場所があったら……。

 人はみんな心にキャバクラのような「はけ口」を持つべきだ。とくに不登校・ひきこもりの人には「はけ口」が必要だ。もちろんキャバクラでなくてもいい。相談できる友だちでも医師でもカウンセラーでもなんでもいい。肯定される会話、傷つかないコミュニケーションができる場。そうした場所が必要なのだ。

 心にキャバクラを持たざる者はトイレの無い部屋に住んでいるのと同じだ。自分から出た色んな感情でどんどん心が汚れてしまう。よけいなものは出さなきゃいけない。自分なりの「はけ口」を見つけてほしいと思う。心がスッキリすれば、自分に必要なものも見えてくるし、楽しいことを考えたり、仕事をがんばる余裕もできるかもしれない。そしてもし、お金があるのなら、うちのキャバクラに来たらいいと思う。

■筆者略歴/(つぐみ)小学1年生から不登校。親との関係や摂食障害にも苦しむ。その後、キャバクラで働き現在5年目になる。

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