不登校新聞

544号 2020/12/15

小学生からの受験ストレスが18歳で爆発したドラマ―の苦悩

2020年12月15日 11:26 by kito-shin
2020年12月15日 11:26 by kito-shin

 YouTubeチャンネルにてPACAO(パカオ)名義でゲーム実況者として活躍している鈴木貴雄さんにインタビューした。鈴木さんは不登校を経験し、バンドUNISON SQUARE GARDEN( ユニゾン・スクエア・ガーデン)のドラマーとしても活動中。不登校当時の心境や、自分にとってゲームとはどのようなものなのか、18歳の不登校経験者がインタビューした。

――どんな子ども時代をすごしていましたか。

 「勉強をしてよい学校へ行く」という大多数の人が歩むレールに、とことん苦しんだ子ども時代でした。小学校高学年のころから、いつのまにか「中学受験をするのは当たり前」というような雰囲気が家族のなかにありました。塾で勉強していたので、夜11時くらいまで家に帰れないというくらい、勉強づけの毎日を送っていました。

 しかし、自分がしている勉強にどんな意味があるのか、まったくわかりませんでした。「勉強のその先」に何があるのかはまったく教えてくれないくせに、ただえらそうに勉強だけをさせるのは理不尽だなと、親や先生に対し、反抗心を覚えていました。「この道に進みたい、そのためにはこの勉強が必要だ」ということなら、がんばって取り組めるんです。でもゴールがわからないまま、ただ勉強をやらされるのは不安だし、やる意味がわからないですよ。そして塾から家に帰ったら帰ったで、両親はいつも大声でケンカしていて、兄弟仲も悪い。そんな家族だったので、学校にも家にも居場所がなかったんです。

 そのころから、塾が終わったあとに、親からもらった食事代で友だちとゲームセンターに入り浸るようになったんです。家と学校に居場所がなくなって、それ以外の場に居場所を求めていたんだと思います。だからゲームセンターで友人や店長さんとコミュニケーションしたり、一人でゲームに没頭することが 自分にとって大事な居場所でした。それ以来、学校へ行ったり行かなかったりをくり返すようになって、高校3年生のころはほとんど行かなくなっていました。

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