不登校新聞

553号 2021/5/1

何年も前の話を持ち出すわが子、子どもの言葉に隠された願いとは

2021年04月28日 12:20 by kito-shin
2021年04月28日 12:20 by kito-shin


加嶋文哉さん

連載「親の失敗談から見えること」vol.5

 疲れ切った表情で例会に参加されたAさん。部活動のいじめをきっかけに不登校になった息子さんは中学3年生です。

 朝起こそうとすると「うるせえ」と怒って、目覚まし時計を投げました。壁には数カ所の穴があいているそうです。子どもが好きなご飯をつくっても食べてくれません。先日は、お父さんにも暴力をふるい、警察を呼ぶ事態となってしまいました。どうしてよいかわからなくなって、わらをもつかむ思いで星の会に参加しました、とのこと。

 いつもは、ただうなずきながら聞いているBさんが静かに語りかけました。「Aさんはすごいと私は思いました。だって、食べるかどうかわからない子どものために、好きなおかずをつくってあげているから。私にはできなかったです。夜中に子どもの部屋から響いてくる大きな音が怖くて、耳をふさいでいました。うちはマンションだから、下の階に響くので、謝りに行きました。そしたら、その人がやさしくて『うちは大丈夫ですよ』と言ってくださって。思わず、その方の前で泣いてしまいました」。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

ゲームばかりで昼夜逆転の子ども。支援者が語る寄り添い方

568号 2021/12/15

不登校が思うように「回復しない」。親どうしが交わした言葉とは

566号 2021/11/15

「お兄ちゃんだけ不登校はズルい」兄弟の不登校問題、どうすれば?

564号 2021/10/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…