不登校新聞

344号(2012.8.15)

発達障害を理由に求刑より重く 大阪地裁

2013年03月09日 11:20 by kito-shin
2013年03月09日 11:20 by kito-shin

社会に受け皿がないため 長期収容で秩序維持?

 大阪市で昨年7月、当時46歳の姉を刺殺したとして、殺人罪に問われた被告の男性(42歳)への判決が大阪地裁で言い渡された(裁判員裁判)。河原俊也裁判長は、被告が発達障害のアスペルガー症候群だと指摘し「社会にに対応できる受け皿が用意されていない」として、求刑の懲役16年を上まわる懲役20年を言い渡した。

 判決要旨によると被告は小学校5年生から不登校。その後は中学校に通わず、約30年間、ひきこもっていた。この間、「ひきこもっていてはダメだからやり 直したい」と思い、両親に転校や引っ越しなどを要望。しかし、要望は受けいれられなかった。被告は、その理由が姉にあったと思い、姉を恨み始めるように なった。そこで母親を介して姉に金やパソコンを要求。さらに昨年4月~5月ごろから、姉を殺害しようと考え始めた。同年6月17日、被告が母親に暴力をふ るい、母親が入院。7月13日、姉は被告に対し「食事やその他のお金は自分で出しなさい、買い物はする」との書き置きを残す。被告は姉が「報復してきた」 と受けとめ、殺害するための包丁を用意。7月25日、被告人宅に訪れた姉を包丁で複数回、突き刺し殺害した。
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