不登校新聞

554号 2021/5/15

どうして守ってくれないの?眼前の体罰を見過ごされて不登校に

2021年05月14日 11:25 by kito-shin
2021年05月14日 11:25 by kito-shin

 今回の執筆者、スライムさんは、学校での経験をきっかけに「大人を信頼できなくなった時期がある」という。ご自身の経験と当時の心のうちを書いていただいた。

* * *

 僕が不登校になったのは、中学1年生の冬。きっかけは、部活の先生でした。入部した運動部の顧問の先生が日常的に生徒に体罰をしていたのです。入部から半年ほどが経つと、僕も先生から体罰を受けるようになりました。練習のやり方を少しまちがえてしまったことで、「そんなふうにやれって言ってねえだろ」と言われ、靴を履いたまま蹴られたのです。

 先生からの暴力はショックでした。しかし、それ以上に副顧問の先生が蹴られていることを知っているにもかかわらず、その場で何も言ってくれなかったことに僕は傷つきました。

 平気で生徒に体罰をする先生と、それを知っているはずなのに何も言わず生徒を守ってくれない先生。その両方の存在に気づいたとき、僕は大人への信頼を失いました。先生から暴力を受けたことで「きっと先生たちは、生徒や子どもを大人に従うべき存在として見下しているんだろうな」とも思うようになりました。それから先生という大人が信じられなくなり、僕は学校へ行かなくなりました。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「親子関係は?元気になったきっかけは?」3人の経験者が語る私の不登校とその後

625号 2024/5/1

「40代で人生2度目のひきこもり」ひきこもり経験者が語るふたたび動き出すまでの出来事と気持ち

624号 2024/4/15

「30歳を目前に焦っていた」就活失敗を機に大学生でひきこもった私が再び動き出すまでに取り組んだこと

623号 2024/4/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…